メンバーによる『モンゴル文学への誘い』(明石書店)が2003年に刊行されました。

 

モンゴル人の創造した現代文学をめぐる様々な状況に、日本の若手・中堅研究者が読者をいざなうモンゴル文学入門書。モンゴル国の韻文、散文のみならず、内モンゴル、カルムィク、ブリヤートの作品・研究も含む。

目次

まえがき(芝山豊)

第1部 翻訳編
1 モンゴル現代詩への誘い
チミド(深井啓)/ヤボーホラン(阿比留美帆)/プレブドルジ(内田敦之)/チョイノム(岡田和行)/ダシバルバル(内田敦之)/ルハグバスレン(山本裕子)/ホラン(阿比留美帆)/ガルサンスフ(阿比留美帆)/バンズラグチ(阿比留美帆)/〈内モンゴルの詩〉サインチョクト(内田敦之)/〔コラム〕モンゴルの文字使用の歴史(荒井幸康)
2 モンゴル児童文学への誘い
ダシドンドグ「七コブのラクダ」(津田紀子)/ガルマー「愉快なお話」(津田紀子)/〔コラム〕口承文芸(岡田和行)
3 モンゴル笑いの文学への誘い
ツェンドドー「オニゴー」(山本裕子)/〔コラム〕モンゴル文学と演劇(芝山豊)
4 モンゴル小説への誘い
トゥルバト「蛇の法会(抄訳)」(海野未来雄)/バヤルサイハン「フフ・トーリの平原」(海野未来雄)/ツェンドアヨーシ「困ったやつ」(タニヒロユキ)/ロドイダンバ「私の栗毛馬(元軍人の話)」(内田孝)/ダムディンスレン「種牛ゴンボ」(岡田和行)/ナツァグドルジ「黒い岩」(芝山豊)/〈カルムィクの文学〉バカラン・アレクセイ「三つの絵」(荒井幸康)/〈近代文学の前夜〉インジャンナシ「一層楼(抄訳)」(タニヒロユキ)

第2部 論文編
日本におけるモンゴル文学研究
〈作家と作品〉「B・ヤボーホランの詩の世界――重い荷を背負って歩いた道」(阿比留美帆)/「モンゴル児童文学とダシドンドグ――モンゴル児童文学におけるダシドンドグの功績を中心に」(津田紀子)/〈文学と歴史〉「一九二〇年代のモンゴル人民共和国における留学政策と作家たち」(内田孝)/「ブリヤート、カルムィクの文学について」(荒井幸康)/〈文学の新しい見方〉「ホモソーシャルなネイションの建設――オイドブ『道』における読解の可能性」(深井啓)/「なぜ『この世の綾』は見出されなかったのか?――矛盾に満ちた七〇年代とモンゴル文学」(海野未来雄)/〈伝統と刷新〉「モンゴルの民主化と詩人チョイノムの復権」(岡田和行)/「未完の構造 D・ナツァグドルジの短編小説について」(芝山豊)

第3部 資料編
モンゴル文学関連年表(岡田和行)/モンゴル文学参考文献(岡田和行)

あとがき(岡田和行)

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